しばらく前の池田散歩。
〆はもちろんブックファースト見物、セルトーがちくま学芸文庫に入っていたのを見つけて購入した。
ペニーボードでウロウロするストリート中年男性たる私は、その下手くそさに我ながら情けなくなる瞬間もあるにはあるし、膝を擦りむいたりしたときなんかは特にそんな感じだが、それでもなんとかやっているぞ。
同じく佐々木氏に度々引用されているアリアドネの糸とともに私の日常を支えてくれているような気がする。
フーコーの技の話は熱い。p.210
若いころの私が言葉にしておかんと失われると思っていたことは多くが言葉になる前に失われてしまった。
のどにひっかかった怠惰の苦みを感じながらも、こういうメティス的な話を言葉にする難しさ、というか当て所のなさを思う。
だが心強いことに(あるいはうっかり知らなかったことには)、その頃すでにセルトーがこうやってこの美しい本を書き残してくれていたのだった。